FC2ブログ
■地震

■メモ:千年間隔で大津波 仕組み複雑で予測困難 北海道南西沖地震から20年 2013.7.8 08:11(産経ニュース・黒田悠希)

千年間隔で大津波 仕組み複雑で予測困難 北海道南西沖地震から20年
2013.7.8 08:11 (1/3ページ)

 北海道・奥尻島に大津波が押し寄せ、200人以上が犠牲になった北海道南西沖地震から12日で20年を迎える。奥尻では約1千年間隔で大津波が襲ったことが最近の研究で分かってきたが、日本海の地震の仕組みは複雑で予測が難しい。本格的な調査と備えが必要だ。(黒田悠希)

                   ◇

 ■岬に津波が集中

 マグニチュード(M)7・8の北海道南西沖地震は、日本海で起きた史上最大級の地震だ。死者・行方不明者230人のほとんどは奥尻島で津波にのまれた。

 気象庁によると、震源に近い奥尻島では地震発生のわずか4、5分後に津波が押し寄せ、最大29メートルの高さまで駆け上がった。

 被害が甚大だったのは南端の岬に位置する青苗(あおなえ)地区。津波が集中しやすい地形だったことに加え、低地に多くの家屋があった。南西沖地震の10年前に起きた日本海中部地震を教訓に設置した4・5メートルの防潮堤は役に立たず、火災も起きて壊滅状態になった。

 大津波は震源域に面した島の西岸だけでなく、東岸にも到来した。青苗のすぐ東側の初松前地区には21メートルの津波が押し寄せ、住民の約4割が死亡した。

 建築研究所の都司嘉宣特別客員研究員によると、島の南に広がる「奥尻海脚」という浅い海底地形の影響で津波の進行方向が曲げられ、岬を回り込んだ場所にエネルギーが集中したためという。

■プレートの衝突帯

 南西沖地震は日本海を縦断するプレート(岩板)境界部で発生した。北海道や奥尻島を乗せた北米プレートと、日本海側のユーラシアプレートは東西から押し合っており、境界部に蓄積したひずみの影響で海底の断層が動いた。

 奥尻島の津波は歴史上の記録がなく、過去の被害は不明だったが、北海道大の平川一臣名誉教授(自然地理学)らの調査で昨年、その実態が明らかになった。

 島の南西沿岸にある高さ約10メートルの崖から、地震による津波で運ばれたとみられる砂などの堆積層を少なくとも4層発見。約3千年前、約2千年前~3世紀、13~14世紀、今回の地震と推定され、700~1千年に1度、南西沖地震と同規模の津波に襲われた可能性があることが分かった。

 平川氏は「日本海沿岸の各地で津波堆積物を調査すれば、地震が繰り返し起きたことが明らかになるだろう」と話す。

 だが、堆積物の調査だけで地震の震源域や次の発生時期を推定するのは難しい。太平洋側の巨大地震は海溝沿いのプレート境界断層で起きるが、日本海には明確なプレート境界がなく、どの断層が動いたのか分からないからだ。

 ■「空白域」の危険性

 日本海の海底は東西に押し潰され、しわが寄ったように大小多くの断層が断続的に縦走しており、北海道沖から新潟県沖にかけて帯状にプレート境界を形成している。

 断層が動く方向は、場所によって異なり複雑だ。例えば南西沖地震の断層は西方向へ傾斜しているのに対し、青森・秋田県沖で起きた日本海中部地震の断層は逆に東へ傾斜している。プレート境界では積丹(しゃこたん)半島沖地震(1940年)、新潟地震(64年)、サハリン西方沖地震(71年)、日本海中部地震とM7級が多発しており、地震の「活動期」にあるとの見方もある。だが歴史記録は少なく、今後の予測は困難だ。

 北海道北西沖の利尻島付近は積丹半島沖地震とサハリン西方沖地震の震源域の間に位置し、地震がしばらく起きていない。こうした場所は「空白域」と呼ばれ、ひずみが蓄積して地震が起きる危険性が相対的に高い。ただ、切迫度は不明で、次の地震が別の場所で起きる可能性もある。

 東日本大震災の教訓から、国土交通省の検討会は日本海で最大規模の津波を起こす地震断層モデルを今年度中にも想定する。政府の地震調査委員会も海溝型地震の想定を見直しているが、日本海はデータ不足から遅れている。

 日本海の地震は、太平洋側と比べて規模の割に津波が高く、到達時間も短いため被害が大きくなりやすい。産業技術総合研究所の岡村行信活断層・地震研究センター長は「主な断層から活動履歴の詳細な調査を進め、予測に生かすべきだ」と話している。



奥尻島を襲った大津波
続きを読む >>

■木村政昭さんの相乗り地震予知について

2011年の東北地方太平洋沖地震M9.0を予測したと主張する木村政昭氏が、ホームページの地震予測が更新しました。

それによると、伊豆、小笠原諸島沖の海溝にて、2012年+-3年の範囲で、M8.5前後の巨大地震が発生するとのことです。画像を参照して下さい。

木村政昭地震予測2013年7月3日版


つい先日、塩井氏より地震予測が提示されたばかりです。

塩井氏は、GPSデータによる地震予測を試みている方で、これまでも同じ手法にて何度か予測をしていました。しかし残念ながら、直前で撤回したり、対応地震が無かったりと、結果はふるいませんでした。

ただし、地震予測の難しさを謙虚に捉えているようで、予測撤回や敗北宣言があるあたり、私は真面目な印象を受けており、また、GPSによる手法についても、私自身まだまだ改善の余地、つまり未来があるように考えております。

その塩井氏と軌を一にした木村政昭さんの予測更新をどう見るかが問題です。

もともと、木村政昭さんは伊豆諸島沖の地震について発生予測をしていました。3.11以降にも何度かその予測を見ました。ただ、その時点では、2026年の予測だったので、これではあまりに時間的に遠く、予測の意味が無いと、私は指摘したこともございました。

そして、それが急激に早まったとする今回の予測更新。

理由、背景となる理論の提示もなにもありません。著書を読めと言われても、そこに記載されているのは方法論であって、今回の予測の根拠ではないと思われます。

20年近くも地震予測が早まるほどの地殻変動が、予測震源域の付近で観測されたでしょうか?実際のところ、伊豆諸島北部の群発地震がありました。三宅島の噴火活動、硫黄島近海の海底火山噴火も観測されました。しかし、それほど大きな要因となるでしょうか?甚だ疑問です。

また、地震予測は科学研究の側面よりも危機管理の側面の方が本筋なのですから、いちいち過去の文献を当たってどうのこうのと言っているヒマはありません。つまり、今回の予測パラメータの提示が必要と考えます。それが一切見当たりません。

これでは他人の予測への相乗りではないかと言われても、文句は言えないと思います。

また、3.11を予測したとするページに追記がありました。これは私も指摘したことですが、予測はM8+-という表現でした。実際はM9でした。M8前後では過去の明治三陸地震や、昭和三陸地震クラスの再来を予測したに過ぎません。

確かに図中の予測震源域の円は500KMに及ぶ広範囲を捉えておりますが、もし、図の円が震源域の全体を示しているのであれば、図と数字は対応しなければならないのだし、もし震源の可能性海域を示しているのであれば、数字が正であると明示しなければ見る人は分かりません。曖昧です。

M8からM9までは30倍のエネルギーの差があります。それを誤差と表現することは言い過ぎです。単にM9.3とするには物怖じした、ということなのではないだと思いますが、的中させたとなると言いすぎでしょう。

参考までに全文引用します。

*************************************
2011年6月12日日曜日

想定外ではなかった! 4年前に公表されていた東日本大地震予測図の再評価(2011年6月12日)

想定外ではなかった! 4年前に公表されていた東日本大地震予測図の再評価(2011年6月12日)

内外の研究者から、2011年に発生した東日本大地震の予測についてのコメントや質問が私の元に寄せられています。それは、私達が、今から4年前(2007年)の第21回太平洋学術会議において、上に示した予測図を公表していたためです。

 上図は、2007年6月13-18日の第21回太平洋学術会議で発表した共同研究の成果の一つです。発表より3日前の、このホームページの2007年6月10日の私のブログには、「都市を水没させるような地震はこれからも起こる」と題して、その講演の予告が掲載されています。
 ところが本年2011 年に、まさに東北方面がそのような地震・津波に襲われました。これは偶然の一致と済ませて良いのでしょうか。なぜなら、上図の東北日本の太平洋沖には、M8前後の巨大地震発生が予測されているからです。
 その予測による大地震発生時期は2005±5年で、実際の2011年に近く、予想マグニチュード(M)は8±で、実際のマグニチュードは9でした。
 なお、太平洋学術会議で公表した地図(上図)で示した地震の目の大きさ(長径)は、480kmほどとなります。それを断層の長さとみなし、松田の計算式により再計算すると、マグニチュード(M)は9.3となります。これでは日本列島付近で発生したことのない大きさの地震になってしまいます。そこで、それは誤差に委ね、図ではM8±という表現にとどめたわけです。
 したがって今回の2011年3月11日に発生した”東日本大地震”は、偶然にしても、4年前に予測・公表された東北沖の巨大地震そのものとしか言いようがありません。 いずれにしても、ほぼ予測に近い時期と場所に、予測に近い巨大地震が発生したことになります。
 この研究は、以下のように共同研究で、発表は私が2007年6月に行いました。
研究者:Masaaki Kimura, Masahide Furukawa and Susumu Ogawa(発表者:木村)
講演タイトル:Submarine ruins as an indicator of active crustal movements along the Ryukyu Island Arc, western margin of the Pacific Plate(太平洋プレート西縁で行われている地殻変動を示す琉球列島の海底遺跡)。
講演要旨は、 “21st Pacific Science Congress, Abstracts. p.356” (第21回太平洋学術会議講演要旨集、356ページ)にあります。
 なお、太平洋学術会議での発表論文の結論部を下に英文で示します。日本語では、「今回のアリューシャン列島沖の津波で特徴付けられるような大規模な津波の発生は、太平洋プレート西縁における新たなサイクルの地殻変動の兆候ではないかと思われる」との予測です。ここで言うアリューシャン列島沖の津波とは、2006年と2007年にクリル付近で発生したMw8.3と8.1の地震によるものを指します。

 さて、結果的には太平洋学術会議での指摘通り、東北日本の太平洋沖で、2011年にM9という日本最大とされる巨大地震が発生してしまいました。
 では、上記学術会議での予測はどのようになされたのでしょうか。それは、1)火山活動と地震活動との時空関係および2)すでに私の著書やホームページ等で紹介している”地震の目”などを中心とした方法によりました。
 地震の目による方法は、本年3月15日のブログで示した方法です。 その時、大地震の名は”東北関東大地震”と仮称されていました。そのブログでは、 2010年までの気象庁 (JMA)が公表した震源データを使用しましたが、太平洋学術会議の時は同じJMAのデータですが、2007年までのものによりました。

 以下、太平洋学術会議の要旨の一部(原文)
1.M.Kimura, M. Furukawa and S. Ogawa

Correspondence: kimura@sci.u-ryukyu.ac.jp
Submarine ruins as an indicator of active crustal movements along the Ryukyu Island Arc, western margin of the Pacific Plate.
Abstracts, 21st Pacific Science Congress, p.356

Concluding remarks:
- I wonder if recent large-scale tsunamis, characterized by the one off the Kuril Islands, may be one of the signs of the new cycle of the crustal movement along the western Pacific margin.

■富士山「10年以内に噴火」危機!“奇妙な連鎖”が意味するもの(2013.06.08ZAKZAK)

2013年5月に次々と噴火した環太平洋の火山
 都市機能を壊滅させる首都直下地震に、巨大津波が襲う南海トラフ連動地震。2011年3月の東日本大震災に続く未曾有の天災に警戒感が高まる一方、地震と密接な関係がある火山も不気味な動きを見せている。5月に入ってから、環太平洋火山帯に属する世界各国の火山が相次いで噴火したり、活動を活発化させたりしているのだ。この火山帯には実は日本列島も含まれる。富士山も無縁ではないようだ。

 北米、南米、日本列島と太平洋の周囲をぐるりと帯状に広がる環太平洋火山帯。太平洋プレートを中心とする海洋プレートが、その周辺のプレートの下に沈み込むことで形成された火山列島や火山群が集まる地球の“火薬庫”のような一帯だ。

 過去に起きた超巨大地震、マグニチュード(M)8・6以上のほとんどが集中するこのエリアで、いま異変が起きている。

 「今年に入って環太平洋火山帯に位置する火山が立て続けに噴火や活動を活発化させている。その分布範囲も広く、東南アジアから北米、中南米にまで及んでいる」(地震学者)

 最近の例を挙げるだけでも、5月7日にフィリピンのマヨン山(標高2462メートル)が噴火し、8日に中南米エクアドルのトゥングラワ山(5023メートル)が活動を活発化。13日には米アラスカ州南部のパブロフ山(2519メートル)、その翌14日には中南米メキシコのポポカテペトル山(5465メートル)が噴煙を上げた。

 この奇妙な連鎖は何を意味するのか。

 火山地質を研究する千葉大大学院理学研究科の津久井雅志教授は「なかには普段から火山活動が活発で、断続的に噴火を繰り返しているのもある。ある一時期に噴火が重なったからといってすぐに関連性を見いだすことはできない」としつつ、気になる指摘をする。

 「環太平洋火山帯では、M7以上の大地震の前後に火山が噴火することが多い。M9・1を記録した2004年のスマトラ沖地震の後では、インドネシアの火山が相次ぎ噴火した。スマトラと同程度の規模だったM9・0の東日本大震災が同じように周辺の火山噴火を誘発するとも考えられる」(津久井氏)

 噴火リスクを抱える日本列島の活火山といえば、真っ先に思い浮かぶのが富士山だ。1707年に発生した「宝永地震」(M8以上)の49日後に噴火し、「宝永大噴火」として大量の火山灰を降らせた。それから300年以上も沈黙を続けている。

 山梨大学地域防災・マネジメント研究センター長で、同大大学院の鈴木猛康教授は、地震と火山との関連を「火山活動も地震活動もプレート理論でいえば、プレートの動きに影響されるという意味で同じ現象。地震活動が活発になると、火山全体が揺さぶられたり、火山を構成する岩盤にかかる応力が変化する。これによって、地中深くのマグマだまりが上昇して噴火を起こす」と説明。火山の噴火直前には震源の浅い地震が頻発し、地磁気が乱れるなど、はっきりとした前兆も現れるという。

 いまのところ、富士山に明らかな兆候が出ているわけではないが、鈴木氏は「過去の例からみても、富士山は大地震の後に噴火を起こしている。環太平洋火山帯で頻発する火山噴火も広い意味で東日本大震災の影響を受けた可能性があり、富士山も今後、10年ぐらいの間に噴火する危険はある」と危ぶむ。

 未曾有の大地震が、霊峰を長い眠りから目覚めさせるのか。

■メモ:【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】「地震エネルギー」どこに消えた? プレートのゆがみと合わない計算 2013.07.05ZAKZAK

日本列島を載せているプレートと海洋プレートの間で次第に地震エネルギーがたまっていって、やがて耐えきれなくなると、海溝型の大地震が起きる。物理学者で随筆家の寺田寅彦がいう「忘れたころ」、つまり100年とか200年ごとに、こうしてマグニチュード(M)8クラスの巨大地震が繰り返してきている。

 ここまでは、よく知られていることだ。しかし、実は計算が合わないのである。

 プレートは一定の速さで動き続けている。東北日本の東側にある日本海溝には太平洋プレートという海洋プレートが毎年10センチの速さで押してきているし、西南日本の南側ではフィリピン海プレートという別の海洋プレートが南海トラフという海溝に向かって毎年4・5センチの速さで押してきている。これらの動きは少なくとも1000万年以上続いてきている。

 ところでこれらM8クラスの巨大地震が起きたとき、震源断層がどのくらいの距離だけ滑ったのかということは、地震計の記録から分かる。それによれば多くの場合、数メートルなのだ。

 たとえば太平洋プレートの場合、プレートのゆがみが年に10センチずつたまっていく。2年で20センチ、10年で1メートル…。ところが、実際に巨大地震が起きてきた間隔よりもずっと短い数十年でプレートのゆがみが「限界」に達してしまうはずなのだ。

 どうも計算が合わない。プレートが作っているゆがみ、つまり地震エネルギーは大地震として解消されるものがある一方、どこかに消えてしまうゆがみがなければおかしい。

 「M8より小さい地震がたくさん起きているのだろう」って? いや、Mが1だけ違えば地震のエネルギーは約30倍も違う。Mが2違えば1000倍も違うのだ。このため、小さい地震を束にしても、M8の地震にはならないのである。

 この「消えてしまった地震のエネルギー」の大きさは、世界各地の海溝でそれぞれ違う。日本海溝ではエネルギーの60%が消え、南海トラフでは30%が消えてしまっている。繰り返し発生している十勝沖地震では、1952年十勝沖地震(M8・2)の前に、どうも大地震1回分のエネルギーが抜けているようなのだ。

 他方、アリューシャン列島沿いや、南米チリの南部では、この「消えてしまったエネルギー」はほとんどない。プレートが押してきた分だけ巨大地震が起きているのだ。

 不思議なところもある。伊豆諸島から南、グアム島の先まで伸びているマリアナ海溝では、この種の巨大地震が起きたことがない。巨大地震のエネルギーは、すべて、どこかに消えてしまっているのである。

 巨大地震を起こすはずのエネルギーがどこかに消える。前回のニュージーランドでいま起きている、地震計には感じない大地震の話を思い出すだろうか。

 そうなのだ。「普通ではない地震」が巨大地震と巨大地震の間にはさまっていて、巨大地震の繰り返しを左右しているのではないか、と思われ始めているのである。

 ■島村英紀(しまむら・ひでき) 武蔵野学院大学特任教授。1941年、東京都出身。東大理学部卒、東大大学院修了。理学博士。東大理学部助手を経て、北海道大教授、北大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所所長などを歴任。『直下型地震 どう備えるか』(花伝社)など著書多数。1952年十勝沖地震の大津波で多くの民家が流された北海道浜中村(現・浜中町)

■内陸部の地震による津波の発生について補足的な考察

 2013年2月25日の栃木県北部の地震(M6.3/深さ3KM/最大震度5強)が発生した後、気象庁が「この地震による津波の心配はない」と発表した。「内陸部を震源とした今回の地震が、津波を発生させるはずがない」と訝る声が、インターネットを中心にして上がった。しかし専門家の解説によれば、内陸型の地震でも震源となる断層が海域にまで達していれば津波の可能性もあるため、気象庁は敢えて発表したのではないか、とのことだった。また、東日本大震災の津波被害が記憶に新しいため、少々サービス過剰と言われようが強い地震の発生後に津波の発生を打ち消しておくことは一つの気遣いだったのかもしれない。
一方で、津波の波源は必ずしも地震を代表とする断層の活動だけに限らない点も忘れてはならない。また、海だけでなく湖でも起こり得ることも忘れてはならない。その意味では、今回の震源が中禅寺湖に近かったことが印象的である。ただ、気象庁が中禅寺湖での津波を想定していたかといえば、恐らくそこまでは想定していなかったのではないかと思う。今回筆を取ったのは、その想定外を埋めることで、内陸部を震源とした地震でも、津波についての警戒を怠るべきではないと警告するためである。
さて、(1)波源が断層活動に限らない点、および(2)湖でも津波が起こり得る点、について象徴的な2つの災害をあげてみたい。

(1)津波の波源は地震に限らない(リツヤ湾の大津波
リツヤ湾史上最大の遡上高を記録する津波は1958年7月9日に発生したアメリカ・アラスカ・リツヤ湾の大津波である。この津波の直接的な原因は地震ではなく、現地で発生したM7.7の地震の後に誘発された山体崩壊である。もともとフィヨルドで山の落差が大きかったこともあり、山体崩壊によって大量の土砂と氷塊が勢いよくリツヤ湾になだれ込んだ。その衝撃によって遡上高524mにもおよぶ大津波を発生したのである。僻地のため居住地は無かったが、たまたま漁をしていた漁船が津波に襲われて2名の人命が奪われている。




(2)湖でも津波が起こり得る(バイオントダム災害
バイオントダム1963年10月9日イタリア・バイオントダム(現在閉鎖)では急激な放水による地質変化の影響で大規模な地滑りが発生した。この結果、最大遡上高250m、ダムの天端を100mも超える大津波がダム湖に発生した。ダム湖周囲の部落の一部が津波に流された他、5,000万㎥もの水が溢水して下流の部落を呑み込んだ。この災害によって2,000人前後の人命が失われたとされている。








これらの過去の災害から、今回の栃木県北部地震を念頭にして次のようなシナリオが描ける。
栃木県北部の地震(M6.3)が中禅寺湖周囲の山々で山体崩壊を誘発する。その土砂が勢いよく湖になだれ込む。湖に大津波が発生する。湖面の船舶および湖岸で被害を発生させる。津波が下流に押し寄せ華厳の滝を落下する。土石流が発生し下流域に甚大な被害を及ぼす。
もしこういったシナリオの可能性が現実に想定できるのであれば、内陸型の強い地震後に発せられる「津波の発生は無い」というアナウンスには、海での津波と共に、震源域の周囲の大きな湖やダム湖における津波を警戒するという意味も帯びていることを、ぜひ思い出して頂きたいのである。

■最新地震予測と地震状況の概観

はじめにお断りしておきますと、私は(1)地震予測を立てておりません。紹介だけしております。また(2)地震状況の概観は個人的なものです。

(1)地震予測について
現在の科学レベルで行われる地震予測は多分にオカルトなニュアンスを含み、正確性を欠くものばかりです。私自身そういった怪しげな個人サイトや自称地震予知団体を何個も見てきました。ここではそういった類の情報は扱いません。扱うのは個人の限界をわきまえて、科学的思考方法を根拠としてまじめに予測をなさっている研究家の方の記事です。

(2)地震状況の概観について
また、地震状況の概観は私見によるもので根拠はありません。正式なものをお求めならば地震予知連絡会の定例報告書をご覧下さい。

私自身、地震予知連の報告に不満を抱いております。というのは、どの報告書も地震活動の事象を後追いしているだけで、地震を含めた今後の地殻変動の予測を意図的に避けていることがありありと窺えるからです。

科学的でないという理由から予測を一切排除するのは危機管理の観点からは失策です。彼らの姿勢は前述のオカルトな団体と比しても悪いとは言えても良いとは言えません。税金を投入している団体であればなおさら詐欺まがいの行為と言えましょう。そういった彼らの活動を「正式」と呼ばなければならない日本国の地震研究の現状に対して、私自身、忸怩たる思いがあります。従って浅薄な私見ではありますが、地震状況の概観をここに勇気を持って記述しているものであります。

(3)地震予測(塩井宏幸さんの研究)と地震状況の概観

何度か取り上げている塩井宏幸さんのGPS座標変動を基にした地震研究は継続的になされており、地震予測と呼べる内容を含んでいます。

彼が根拠としているのはGPS座標の水平変動および垂直変動のパターンが、過去の巨大地震の直前のパターンと類似しているかどうか、ということです。非常にシンプルな方法です。塩井さんはこの方法で2月、7月と北海道中南部沖の地震を予測しましたが、2月は外れたため謝罪をなさいました。7月は動きが周期的なものであったと気付き、直前で撤回しました。こういった姿勢は大変好感が持てるものだと思います。

①四国・九州沖
その塩井さんは、現在四国・九州沖の南海トラフの動きと、低周波微振動のパターンに注目しているようです。ただ、私が過去の地震予知連絡会の記事で読む限り、四国から紀伊半島にかけての低周波微振動の動きはこれまでも観測されており、今回のパターンがそれらと違って大地震につながるものである、と言えるほどの差が見出せませんでした。従って、私自身はそれほど南海沖に注目しておりません。ただし、同海域が海溝型地震の顕著な空白域であることは事実としてお知らせしておかなければなりません。

②北海道中南部沖および火山活動
さて、北海道中南部沖といえば、3.11東北地方太平洋沖地震M9で破壊されなかった地殻の海域を含み、今も歪が蓄積され続けています。その蓄積の速度も北海道大学の日置教授の報告によれば2003年の十勝沖地震から2011年の東北地方太平洋沖地震を経てから3倍のスピードに早まっています。従って、今もっとも注目すべき地域であることは言うまでもありません。

さらに、2012年7月から十勝岳の火山活動が活発化、2012年8月後半には択捉島の火山の噴火も判明しており、北海道周辺の地下で大きな地殻変動が起こっていることは明らかなようです。

巨大地震があった後は火山活動が活発化するということは歴史的事実として証明されております。問題は、これらの火山活動がこれで終わりなのか、さらに大きな活動が発現するのかどうか、ということです。引き続き北海道周辺の地震活動を注視しておく必要があります。

北海道沖の地震活動については塩井さんも何度かTwitterで見解を述べており、注目しているようです。私も彼の意見に従いながら独自の視点で注目しています。

具体的には前震にあたるような群発地震を気象庁の一時間おきの地震マップで日々観察しています。ここではその動きをご報告します。

北海道中南部群発地震2012/5/19~5/25の三陸北部沖の群発地震のあと、5/26の青森県東方沖M6.1(震度5弱)が起こり、さらに小さな地震が時計回りに円を描くように北上東進して、地殻を順次破壊している様子が窺えます。最近ではその地震が内陸部まで到達していました。そして8/27からは北海道中南部の内陸で群発地震が起きています(左図参照。出展気象庁)。これからの地震活動の円の中心は、プレート境界面を半径の中心線にして地震の空白域を含んでおります。このまま地震が進んで半円を描ききっても何も起こらないかもしれませんが、何か変化があったら都度ツイッターでつぶやくようにしています。(@ganase)



③沖縄沖
一方、沖縄海域はどうでしょうか?フィリピン海プレートの移動が活発になっていることは知られていますが、その一つの現象としてこれまで地震の少ない地域と認識されていた沖縄海域の地震活動が活発になっています。毎日大小の地震が沖縄本島の西南~九州南西沖で頻発しています。8/18には奄美大島の北部沖で群発地震が起きています。(左図参照。出展:気象庁)








その中で、既知の地震空白域が沖縄本島南方沖にあります。ここが崩れた場合、M8クラスの津波を伴う地震が起こると予測されています。沖縄に到来する津波の想定は10メートル以上の高さです。これもニュースになっており、本ブログでも既報なのでご参照下さい。この場合の問題はいつ発震があるかです。沖縄近海も北海道沖と同じようにプレートの動きが活発になっているために、歪の蓄積が早くなっていて、発震の時期も早まっているのではないかと思います。

先の気象庁の地震マップを見る限り、沖縄沖の地震活動は全体的に活発になっていますが、沖縄南方の地震空白域だけはポッカリと地震が起きておりません。北海道南方沖でも同じであり、四国沖でも同じです。これは注目に値する点だと思います。

以上、現在注目している3つの地震の空白域について述べました。



内陸部における断層型地震については対象が多すぎるため考察しておりません。どうか、いつきてもおかしくないという心構えでいらっしゃって下さい。

追記:2012/8/30 4:05に、仙台沖でM5.7(最大震度5強)の地震が発生しました。このあたりは2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震M9.0の余震域にあります。あれから約1年半経過後でも、同地域の余震活動は弱まりつつも活発に続いています。発震のメカニズムは正断層型で、3.11で壊れた箇所に向けて北米プレートの地殻が引っ張られていることから起こっているものと思われます。一方、R-G式によれば小さな地震が一定の回数起こると、その回数に応じてより大きな地震の発生が見込まれます。従いまして、この余震活動が続く限りは今回のような強い地震が起こる頻度も高くなります。同地域の方はご注意下さい。
タグ : 地震予知

■メモ:此処より下に家建てるな…先人 の石碑、集落救う(読売新聞)


 
石碑

「此処より下に家を建てるな」――。

 東日本巨大地震で沿岸部が津波にのみこまれた岩手県宮古市にあって、重茂半島東端の姉吉地区(12世帯約40人)では全ての家屋が被害を免れた。1933年の昭和三陸大津波の後、海抜約60メートルの場所に建てられた石碑の警告を守り、坂の上で暮らしてきた住民たちは、改めて先人の教えに感謝していた。

 「高き住居は児孫(じそん)の和楽(わらく) 想(おも)へ惨禍の大津浪(おおつなみ)」

 本州最東端の●ヶ埼(とどがさき)灯台から南西約2キロ、姉吉漁港から延びる急坂に立つ石碑に刻まれた言葉だ。結びで「此処より――」と戒めている。(●は魚へんに毛)

 地区は1896年の明治、1933年の昭和と2度の三陸大津波に襲われ、生存者がそれぞれ2人と4人という壊滅的な被害を受けた。昭和大津波の直後、住民らが石碑を建立。その後は全ての住民が石碑より高い場所で暮らすようになった。

 地震の起きた11日、港にいた住民たちは大津波警報が発令されると、高台にある家を目指して、曲がりくねった約800メートルの坂道を駆け上がった。巨大な波が濁流となり、漁船もろとも押し寄せてきたが、その勢いは石碑の約50メートル手前で止まった。地区自治会長の木村民茂さん(65)「幼いころから『石碑の教えを破るな』と言い聞かされてきた。先人の教訓のおかげで集落は生き残った」と話す。

(2011年3月30日07時22分 読売新聞)

■塩井さんによる北海道沖の最新地震予測情報

地震・火山に関する個人研究家の塩井宏幸さんから北海道沖の最新地震予測情報がもたらされました。次の通りです。

1.国土地理院のGPSデータによると、2012年6月下旬から7月中旬まで北海道が南方に移動している。また、北海道南西部が隆起している。移動・隆起の幅は通常より大きい。

2.南方移動、隆起の傾向は7月中旬時点で加速・増大傾向である。

3.上記の動きは海溝型地震の前兆である可能性が高い。

4.地震の規模を示すマグニチュードはM7.5程度を予測。

5.津波は10メートルを超えることはない。

6.8/7に7/14時点のデータを再度解析してみる予定である。その結果によって、南方の移動および隆起が続いていたら震の直前であることが示されるかもしれない。北方の移動に変わっていたり、沈降傾向に変わっていた場合は地震の可能性は無くなったものと見なせる。地震予測はキャンセルされるだろう。


※誤解をしているとよくないので塩井さんの解析のページのリンクを掲載します。
http://homepage2.nifty.com/h-shioi/Earthquake/GPS/GPS_CoordinateFluctuation.htm

※塩井さんのツイッターアカウントは次の通りです。
@maguro_kumazo

■地震に関する考察について

私は地震に関してはずぶの素人で、ましてや研究家でも何でもないです。地震に関する私の言質を信じる道理はありません。門外漢が何を言うのか、と批判するのもごもっともです。ただ、私は次の認識に基づいて地震について考察しています。これが飲み込めれば、批判はむしろ当たらないことがお分かりいただけると思います。

***
1995年の阪神大震災を、地震の専門家は予測できませんでした。この時、東京大学地震研究所を中心とする日本の地震学会の権威は地に落ちました。「地震予測は難しい。」「いくら学会の権威を振りかざしても無意味である。」こういった認識が世間に浸透しました。その後、インターネットの普及も手伝って、地震の基礎データは広く一般公開されるようになりました。

さらに、東日本大震災3.11が発生しました。我々の虚を突く超巨大地震でした。同じ日本人が津波や放射能から逃げ惑う姿は、私の目に焼きついて離れません。これらの惨劇を目の当たりにした時、地震は他人事ではないと誰だれしも考えたのではないでしょうか?

Facebookにおいて、「日本人はみんなEarthQueke
Fighter(地震戦士)だ」、と表現した外国人がいました。私もその1人として戦列に加わろうと思っています。特定の学会に任せきりになるのではなく、観測や提案、警告を含めて、一緒に考えていければよりよいと考えております。
***

そして何といっても、地震予測にとっても最大の敵は、人々の記憶の風化です。地震に対する恐怖感をしっかり維持するためにも、こういった活動を続けようと思います。

■最新地震予測の変調

有力な地震予知研究の様子がここにきておかしくなっています。予測が外れたり、撤回したりするケースが増えています。東日本大震災以降の予想外の地殻変動について行けずに、つまずいている印象です。

そこで、現在のそれらの研究の動向と、私なりの地震の解釈を記述してみようと思います。なお、ここで取り上げた以外にも地震予知研究はありますが、あまりに非科学的だったり、外れた予測を放っておいたりする等閑さが見られたモノは追いかけないことにしています。


1.地震エコー

インターネット上で調べる限りですが、森谷武男さんが2011年5月に国際地震予知研究会で講演した、とのことです。それによると2011年4月から続く地震エコーが、一年を過ぎた2012年5月もまだ続いているということです。これは予想外の展開です。地震エコーの継続時間が長ければ長いほど、対応する地震のマグニチュードが大きくなるという法則があるそうなのですが、あまりに長いです。3.11後の地殻変動が地震エコーを引き起こしている可能性もありますから、対応する地震が起こるかどうかハッキリしない状態が続いています。

さて、従いまして、私が本ブログにて予想した6月上旬の発震の前提が狂いました。あの予想の計算は、2月初旬に地震エコーが収束したことを前提としていました。従いましていったん撤回します。


2.GPS観測

個人地震・火山研究家の塩井宏幸さんは、日本全国にまたがるGPSデータの急激な変動から、海溝型巨大地震の前兆を捉えられると述べています。ちょうど3.11前にそういった急激な変動があったことを彼自身が確認したためです。

彼によると、実は2011年末から年初にかけてGPSデータが激しく変動したそうです。
 しかし発震はありませんでした。 また、今年3月から5月までの激しい変動があったそうです。しかし5月後半から振れ幅が小さくなり、収束の傾向です。今のところ対応する地震は見当たりません。
GPSデータから見た地殻の激しい変動が、必ずしも巨大地震発生にすぐさま結びつくわけでないことが分かりつつあります。



3.地震の目

木村政昭予測2012年1月版木村政昭さんは 2011年に 自身のホームページで千葉沖のM9の地震を予測していました(左図参照)。

しかし2012/3/29に予測を更新しました。それによると、千葉沖のM9の超巨大地震の予測はあっさり撤回されました。代わりに、フィリピン海プレート東縁、鳥島付近で2026年前後にM9が発生するという予測が立ちました。従って、しばらく危険性は無いという見解です。(更新頻度を考えると、これほど遠い未来の予測をする意味がどこまであるか疑問です。)

なお、富士山噴火については継続して可能性が高いとしています。




4.地震トレンド

海溝型地震の場合、日々の地震の位置と大きさのトレンドを地図上で追い続けることで、次にどのあたりに地震が発生するか漠然と予測できます。私は、気象庁が発表する地図上のデータを毎日チェックしてトレンドをTwitter(@ganase)でつぶやいております。もしよければフォローしてご覧下さい。地震以外のこともつぶやいている点はご了承下さい。

地震の目20120507-20120607トレンド空白域
最近のトレンドは次の通りです。

前出の塩井さんの警告を念頭にして、北海道南方沖の傾向を注視しています。
ここには、3.11の割れ残りである三陸北部沖から2004年十勝沖地震の震源域まで地震の空白域があります。

現在、ここを囲むように大小の地震が続いています。2012/5/19~5/25の三陸北部沖の群発地震および、5/26の青森県東方沖M6.1(震度5弱)がそれに対応していると考えております。細かくはさらにあり、震源は行きつ戻りつしながら弧状に北上しています。空白域が周りから少しずつ壊されているイメージです。早いうちに巨大地震の臨界に達する可能性も否定できないのではないでしょうか。

なお、北海道南方沖は海溝型巨大地震の多発地帯で、特に根室沖は北米プレートの歪の蓄積が限界点に達していると地震予知連絡会でも報告されています。

さらに、北海道大学の日置幸介教授は、太平洋プレートの速度が2003年の十勝沖地震以来、3倍の速度に達している研究結果を発表しました。これが真実であれば、急速にプレートの歪が蓄積されている可能性があります。

私は、いつ起こるかわからない発震まで、粘り強く観察を続けるいく予定です。


5.その他

以下は地震との明確な対応関係が見られませんので取り上げません。地震雲、大気重力波、イルカやクジラや魚の大量死、太陽風、潮夕、イオン/ラドン濃度変化など。



プロフィール

永瀬宗彦 - Nagase Munehiko

Author:永瀬宗彦 - Nagase Munehiko

画家・永瀬宗彦の雑記帳です。

美術作品紹介→Homepage

詳細プロフィール→About.me

お問い合わせ→メール / Twitter / FB

検索フォーム