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■今後の美術作品の制作と発表について。

今後の美術作品の制作と発表について。

社会人になってから、いくつかの貸し画廊を訪ね、お金を払ってグループ展や二人展、個展をひらいてきました。ここ数年はずっと、個展という形で発表させて頂いておりました。

その間、一部の方からご評価頂きましたから、たいへん頼もしく、また励みになっていました。回を重ねるうちに、室料もいらないとおっしゃって頂けることもあり、とても有難く、自分は幸せ者だと思いました。

人間関係も当初の学生時代の友人から、美術にたずさわる方々との関係が主になっていきました。そういう方々にまじって、それこそ末席を汚しているようなくらいでしたが、プロの方に失礼のないように、卑屈になることなく、自信をもって臨んできたつもりです。

一方で、長く続けるうちに、いつになっても芽の出ない自分の才能と努力不足に落胆することが多くなってきました。

自分では自分の作品がいいと思っていても、必ずしも見て頂く方々が同じ意見とは限りません。自分の何が足りないのか、いろいろ考えました。

時間不足で作品の質にムラが出ているのではないか?
あまりに自由に描いていて作風が多すぎないか?観る方も困惑しているのではないか?
自分のスタイルにこだわるあまり、鑑賞者の意識とのズレを生んでいるのではないか?
作品に何かを求める姿勢に難があるのではないか、人間関係構築が最も重要なのではないか?
単に技術不足、知見不足、努力不足なのではないか?
もろもろの理由から、鑑賞者が求めている絵を提供できていないのではないか?

こういった悩みは、自主的な創作活動を始めた当初から、ずっと抱き続けているものです。解決もせず、答えも出ない悩みでした。

個展以外にもいくつか絵の仕事をもらいました。挿絵だったり、表紙原画だったりしました。しかし、結局、それ以上多くの仕事にはありつけませんでした。私のイメージする生業にはほど遠い仕事量でした。

2013年のカフェ"SEE MORE
GLASS"での展示は、以前からカフェに飾らしてもらいたいという願望を実現したものでした。他方、私家版の絵本の原画展示というスタイルにすることでターニングポイントと言える展示でした。つまり、作品発表がよりプライベートなものに収斂していく、そういったプロセスにおける一つの展示形態がこの展示でした。

誰かに見てもらうことは相変わらず重要と考えているのですが、それによって評価を得て、仕事を得るための展示ではなかったのです。むしろ、外へ飾ることをモチベーションにして、より多くの作品を生み出すことが目的でした。「ふうせん」の場合は、私の子供のために絵本を作ることというプライベートな目的が、パブリックな展示の行き着く最終目標でした。だから、広報もせず、誰も呼びませんでした。会場に鑑賞目的に来場したのは私の家族だけでした。

こういった発表形態に、私はさびしさも感じていますが、それ以上に、私の勝手な創作活動に他人を巻き込むこと、期待だけ抱かせて結果を出せないことに恐怖感を持ちました。虚栄心を満たしたいとは一向に思っていませんが、仰々しく個展を開くことで、結果としてそうなっているのではないか?そう感じました。だから、もう止めようと考えました。通りすがりの方がたまたま観て、「悪くない」といった程度の感想を言ってくれれば、私はそれで満足だと思いました。

こういった弱気な考え方はしかし、たびたび私の中に現れては、しばらくすると消えていってしまうものでした。それに代わって、強気な考え方が頭をもたげてきます。私は今回こそ、そういった強気を封印して、美術活動を私的な活動に抑えたいと思います。

美術界は、絵が少し上手いくらいで通用するようなものでなく、生き残るにはズバ抜けていなければならず、また、社会が求める美術作品は、必ずしも私が描きたい美術作品ではありませんでした。私から見てつまらないと感じる美術作品が、むしろ画壇や評論界、市場で評価されているようでした。

一方で私がそんな美術界を批判しても、何の説得力もなく、誰からも受け入れられないことも心得ています。売れないことに文句を言っても何も始まらない。自分が思うのとは逆に、単に自分がつまらない作家なのだということを、しっかりと心得なければなりません。悲しいかな、周りから見れば、それが客観的で妥当な意見なのです。そういう評価に甘んじるならば、どうして創作活動ができるでしょうか?

今まで産み出して来た作品を葬ることは忍びないので、美術活動を止めることはありません。ただ、対外発表はごくごく限られた範囲で行うことになると思います。美術界もビジネスであり、ビジネスモデルや人間関係の構築に主眼があるのであれば、私のような人間関係が不得手な人間には向いていないのです。

だらだらと愚痴を述べてしまいましたが、どれもこれも自責の感情から発せられた言葉であり、これを読んだ私以外の方に対して発せられた言葉ではありません。

どうかお気になさらずに。

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永瀬宗彦 - Nagase Munehiko

Author:永瀬宗彦 - Nagase Munehiko

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