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■心のストレスと、その予防的ケアについて(原稿)

本日は、心のストレスと、その予防的ケアについてお話します。

近年、IT化や人員の流動化、家族構成の変化などによって、以前に比べて社員間のコミュニケーションの質・量ともに変化していると考えております。これまで、我が社は家族的な企業風土で様々な課題を無意識にカバーしてきた部分がありますが、若干カバーしにくいことが出ていてもおかしくありません。幾つか、課題があると思われる中の一つが、「心のストレスに対する気づき」の課題です。

そこで、厚生労働省の労災件数のうち、平成24年度の精神障害に関するデータを調べてみました。このデータは「心のストレスに対する気づき」の課題の延長線上にあると思われます。詳細は割愛しますが、結論として、メーカーの事務職、ここにいらっしゃる方の多くが当てはまると思いますが、メーカーの事務職の労災の申請件数は、他の業種・職種と比べて多いことが分かりました。年代は、30代、40代が中心です。出来事別では、仕事の量、仕事の質の変化に関することと、人間関係が最も多いです。このデータにより、この課題が思ったよりも身近であることが分かりました。

では、一般的に、心のストレスへの予防的なケアとは、どういうアプローチなのか、厚生労働省から指針が出ていますので、簡単にご紹介します。まず、ケアをする主体が4つ定義されています。
1つ目は、セルフケアです。
2つ目は、ラインによるケアです。
3つ目は、社内の健康保健スタッフ等によるケアです。⇒保健室などですね。
4つ目は、社外の産業保健センター等によるケアです。

次に、これらのケアの主体が、何をするのか?ということですが、セルフケアとラインによるケアに限定してお話します。

まず、セルフケアは、自分自身に対して、ストレスが溜まっていないか?ストレスの発散方法は持っているか?不安感などを自発的に周りの人に相談できているか?等を自問自答して、対処することが求められます。

次に、ラインによるケアは、部下や後輩の「様子」に気を使って、場合によっては面談が求められます。様子とは例えば次のようなことです。
元気が無い、笑顔がない、挨拶がなくなった、顔が青白い、報告・会話が少ない
服装が乱れている、容姿に無頓着になる
飲酒の頻度が増える、遅刻・欠席が多くなる
対人トラブルが多くなる、仕事の能率が低下する

といったところです。そして場合によっては、そういった部下や後輩を、保健スタッフへ引き継ぐ場合もあると思われます。以上がものすごく限定的で、教科書的ではありますが、予防的な心のケアの枠組みになります。

しかし、この場でそんなことを急に言われても、いきなり実践できるわけがない、と思います。私自身も、立場が違いますので、以上のことを実践して下さいとは言えません。しかし、一点、お伝えしたいことがあります。今、述べたケアの枠組みとは直接関係していないように思えることです。

それは何かというと、つまり、日ごろから欠かさず、普通に挨拶・声かけなどのコミュニケーションをしておくことが大切、ということです。相手の心の変化に気づきやすくなるには、先程あげたような、心のストレスのシグナルが出る、シグナルが有ると思っているだけでは、実は足りません。むしろ逆で、挨拶などが無くなったことが、シグナルであったりします。つまり「無いことがシグナル」なのです。ですから、これに気づくために、もし現時点で、普段から挨拶やちょっとした声かけが、徹底されていないのならば、励行なさって下さい。それによって、シグナルへの気づきの範囲が広がり、予防につながります。

韓国で痛ましい海難事故が今も継続中ですが、溺れている人はですね、声を上げることも、ジタバタすることも出来ません。溺れているからですね。静かに沈んでいくのです。それに気づくというのは、とても難しいことです。「心のストレスへの気づき」の課題も似たようなところがありますが、普段からのコミュニケーションが予防になるということを、覚えて頂ければと思います。ありがとうございました。


※1 平成24年度 厚生労働省「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」
※2 平成18年度 厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」

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永瀬宗彦 - Nagase Munehiko

Author:永瀬宗彦 - Nagase Munehiko

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