■喋喋2
何日かしてから、僕は自分の身体が今までと違っていくのが分かった。食欲もなくて、ただじっと身をすくめているのが楽だった。考えることすらおっくうだった。僕はすっかり変わった身体で、草の茎にしがみついて時間が過ぎるのを待っていた。すると、となりの草の葉の裏から声がした。
「やあ、君かい?このまえ会ったよね?」
声は変わっていたが、この前の彼だと思った。彼もすっかり変わった身体をして、草の茎にしがみついていた。
「いつだい、君は」
僕はやっぱり彼の質問の意味が分からなかった。「えっと」僕が考えていると、彼は言いなおした。
「そのさ、ちょうちょになるのはいつ?」
その言葉で初めて、僕は自分がちょうちょになることを知った。
「いや、その、わからないんだ」
「そうなんだ。君のまわりの人は不親切だね。その日までは物音立てずにジッとしていなくちゃならないんだよ」
「そうなんだ。でも何で?」
ほんとうに僕は何にも知らなかった。どうしてなんだろう。
「ほら、僕たちは今、動きが遅いからね。シッ静かに!アリが来た」
彼は下の地面を見ながら言った。僕もその方を見下げると、地面にはワラワラした黒い虫が歩いていた。
「あれ僕の父さんの仇さ」彼が言った。
黒い虫は、空からの光を鋭く輝かせながら草むらの奥へ行ってしまった。
「あれが彼の父さんの仇?何でだろう」
僕はむしょうに不安になって、さらに高い葉っぱの裏側に登った。
「じゃあね」
彼はそう言って葉っぱのあいだに消えていった。
「やあ、君かい?このまえ会ったよね?」
声は変わっていたが、この前の彼だと思った。彼もすっかり変わった身体をして、草の茎にしがみついていた。
「いつだい、君は」
僕はやっぱり彼の質問の意味が分からなかった。「えっと」僕が考えていると、彼は言いなおした。
「そのさ、ちょうちょになるのはいつ?」
その言葉で初めて、僕は自分がちょうちょになることを知った。
「いや、その、わからないんだ」
「そうなんだ。君のまわりの人は不親切だね。その日までは物音立てずにジッとしていなくちゃならないんだよ」
「そうなんだ。でも何で?」
ほんとうに僕は何にも知らなかった。どうしてなんだろう。
「ほら、僕たちは今、動きが遅いからね。シッ静かに!アリが来た」
彼は下の地面を見ながら言った。僕もその方を見下げると、地面にはワラワラした黒い虫が歩いていた。
「あれ僕の父さんの仇さ」彼が言った。
黒い虫は、空からの光を鋭く輝かせながら草むらの奥へ行ってしまった。
「あれが彼の父さんの仇?何でだろう」
僕はむしょうに不安になって、さらに高い葉っぱの裏側に登った。
「じゃあね」
彼はそう言って葉っぱのあいだに消えていった。
■コメント
■コメントの投稿